2015年07月18日

NHK パリ白熱教室 トマ・ピケティ 「不平等と教育格差〜なぜ所得格差が生まれるのか〜」 2

・所得下位層の賃金問題・限界生産力理論 
技能が高い労働者は賃金が高くなり、技能の低い労働者は賃金が低くなる。だからといって雇用主が安易に無理難題を押し付ける問題を「ホールドアップ問題」という。

技能・技術というには、一般的なものもあれば個々の職場場に応じた特殊なものも多々ある。他の市場で認められない独特な技術だとホールドアップ問題が起こりやすくなる。 

・買い手独占
商品の売り手は多数いるのに、買い手は1社だけという状態。労働市場の場合は人を雇う会社が1社だけを指す。これは各地域によって起こりうる問題である。簡単に移住などが困難な場合、雇用主側で賃金体系を自由に設定出来る不平等が起こる。

これらの不平等を解決するのが、最低賃金の引き上げ等の政策である。最低賃金制度は労働者を守る制度なのだ。 

この最低賃金制度を様々な角度から検証していくと、買い手独占市場などでは最低賃金の引き上げが労働供給を高めるという事が分かった。

この最低賃金制度導入の歴史を検証していくと大変面白い結果が分かる。アメリカというと常に格差が大きい国というイメージがあり、フランスは常に平等な国というイメージがあるが、1950年代などは、フランスの方が格差が大きかったという事実が分かった。 

歴史的文化的にこの最低賃金制度は変化していく。何故アメリカはこんなにも低くなった
のか? 

フランスは物価が上昇する度に最低賃金を引き上げていく法律があった。アメリカにはこのフランスのような法律が存在しなかった。1980年台レーガノミックスでインフレにより、通貨価値も目減りしていくのと同時に最低賃金もどんどん下がっていった。

この最低賃金のデータを分析すると、所得上位層がさらに豊かになり、所得下位層はさらに貧困が増してきているという事実がある。

だからといって、最低賃金を一気に引き上げるとさらに失業率が増加する。徐々に最低賃金を引き上げていき、高い技能を身につけるように、教育にしっかり投資する事こそが格差を失くす最善策である。

教育と職業訓練の向上と賃金制度を一体になって進めていく事こそが大切である。

各国最低賃金制度がある国と無い国があり、全国平均制度も無い国があるので、各国で最低賃金制度の議論が大変活発になってきている。 

・所得上位層の賃金問題
上記のような様々な問題がこの上位層には当てはまらない。各国とも同じである。アメリカなどでは、教育にも対して差がないのに所得格差は広がる一方である。

アメリカ、イギリスでは、最高税率を過去に引き下げたのが格差の原因の一部という見方も出来る。

CEOの莫大な報酬と生産性限界理論と見てみてもまったくつりあっていない。業界や会社が潤っていけば自然とCEOの賃金は上がっていくからである。この高額所得が問題になっている国は、最高税率を引き下げた国でもあるという事実がある。 


今まで最低賃金制度をあまり意識しなかったが、この講義で最低賃金や教育がいかに大切なのか改めて理解出来た。所得と教育は表裏一体である。まずは、お金の教育を幼い頃から意識し、所得の格差に興味を持つ事から始めるのが大切ではないかと思う。

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2015年07月17日

NHK パリ白熱教室 トマ・ピケティ 「不平等と教育格差〜なぜ所得格差が生まれるのか〜」 1

・教育と技術革新の追いかけっこ理論
教育とはすなわち、技能の供給と置き換える事が出来る。社会の技術革新は技能の新たな需要を生み出す。社会の労働者を簡単に分けると、高技能労働者(高賃金)、低技能労働者(低賃金)の2つに分類される。 

賃金の不平等は技能の差にあり、教育投資によって大きく左右されている。技術革新によって様々な分野の最先端需要が増えていくと高技能労働者の賃金がどんどん上がっていきここで格差が生じてくる。 

所得の不平等が増加していくと、高技能労働者の数も自然と減ってくる。特に下位所得層50%の人々の大学進学率は30年間でまったく増加していない。逆に上位所得層は大学進学率がほぼ100%に近いデータもある。 

事実として、大学進学者は頭打ちで、益々所得格差と労働格差は比例して増加していくという事である。 一般的に教育格差がスキル・プレミアムの上昇と賃金格差拡大の主な要因と考えられている。 

格差是正の為には教育の格差と高等教育の機会均等を改める必要がある。特にハーバード大学などは年間5万ドルもの授業料を収める必要があり、この高すぎる授業料が格差の1つの原因と見てもいい。

この理論の問題は高い技能を習得する機会が誰にも平等にある訳ではないという問題である。フランスとアメリカの教育格差を比較すると格差の少ないフランスより、格差が多いアメリカの方が全体の教育レベルは高いデータもある。問題は高等教育にアクセスする時の格差の問題である。

能力主義などと理想は掲げるがこの教育の格差と所得の格差は密接にリンクしているので能力主義という理想に甚だ疑問が残る。上辺だけの言葉という見方も出来る。 

いずれにしろシンプルに見ていくと、所得上位層が高等大学に進学する数が多く、所得下位層は高等大学に進むのは非常に困難である。もちろん全てではない。所得下位層から進学するケースもあるが、それは非常に稀な例であるという事だ。 

高い技能を身につける為には、教育の普及が欠かせない。だが、所得格差により教育の格差が生じ、そこから所得格差が生じるという一連の連鎖がある。 


今回の問題提起も皆が漠然と知っているようで知らない事であった。お金持ちはいい大学に進む確率が高い。低所得者は大学に進学する事自体困難という自然の流れだ。日本にも様々な制度があるにはあるが、学習塾や家庭教師などどうしてもお金持ちの方が有利だ。お金の問題をしっかり考える事こそが何よりの格差是正の一歩ではないかと思う。 

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2015年07月15日

NHK パリ白熱教室 トマ・ピケティ 「所得不平等の構図〜なぜ格差は拡大するのか〜」 2

・不平等の歴史的変化
まずは自分がどの階層でどれくらい資産から所得を得る事が出来るか知る必要がある。
この事を考える事は経済学者だけでなく誰にとっても意味がある。

フランスと日本は20世紀に資本所得格差が減った為、不平等が縮小した国でもある。
20世紀以前の世界では上位層が90%の資産を独占し、中間層自体ほぼ存在していなかった。現代は上位層が大幅に減って中間層が増えてきた。上位層より中間層が一定の資産を保有する結果となった。 

だが、下位層の50%の人々は何時の時代でもほぼ資産を保有していない。この縮小した格差の中身は上位層から中間層に資産が流れただけという結論が数字的に見てとれる。

この格差が縮小した事により恩恵を受けたのは中間層である。100年前と比べると中間層は大変リッチになった。

・アメリカの例
19世紀のアメリカはフロンティア時代なので、土地という物を平等に保有出来た。ヨーロッパのように大部分の資産を代々保有している地域とは異なる結果が見て取れる。 

資産が平等といってもそれは白人の話になる。奴隷制の黒人にはまったくといっていいほど資産は与えられなかった。19世紀のアメリカを紐解く時にはこの奴隷制の不平等もしっかりと考慮していく必要がある。 

・アメリカは歴史的に見ても資本所得格差が大きくない国である。だが、労働所得格差がここ数十年でかなりの水準まで拡大している。 

・それぞれ各国の歴史には必ず具体的ストーリーがある。所得の格差の問題を紐解く重大なヒントになる。

・日本の所得集中は第二次世界大戦後に一気に減少したが、ここ数十年で上位1%の所得は増大傾向にある。富の格差は広がる一方である。

・数々の所得データを分析すると労働所得が高い職に就く事はあながち悪い選択ではない。だが上位層1%に成りたいというなら必ず資本所得が無いと実現は困難である。

一昔前までは、資本所得に対する課税の方が大変大きかった。では近年は労働所得の課税の方が明らかに上昇している。

・上位層10%の所得が増加しているといってもその中身のほとんどは最上位1%の階層の所得が増えているとう事がデータを分析していく内に明らかになった。 

・1%といっても決して少ない数ではない。アメリカでは300万人に相当し、さらにその最上位0.01%になるととてつもない資産と影響力を持っている。この影響力が様々な分野に波及し、そして政治までも動かしていくという事実を忘れてはいけない。 


各階層での認識の違いと格差の数字的事実が全体的な流れという概念で勉強出来て大変有意義な講座であった。最上位1%の凄さというのをデータで見せられると何とも言いがたい。ルール作りも富裕層が有利に動くわけである。この事実を今後どう捉えて行くかがポイントだと私は思う。 


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2015年07月14日

NHK パリ白熱教室 トマ・ピケティ 「所得不平等の構図〜なぜ格差は拡大するのか〜」 1

トマ・ピケティ教授 パリ白熱教室、第2回目の授業を記載していきます。ギリシャ問題や中国株の不穏な動きなど今だからこそ経済について学ぶ絶好に機会なのでお付き合い願いたいと思う。

・所得の不平等を検証
私達は、必ずしも平等な社会に生きている訳ではない。では格差は何故起こるのか?それを解決する為には不平等のブラックボックスを検証する必要がある。 

・不平等の規模を検証
ここで1つのポイントは、労働所得の格差は資本所得の格差に比べて小さいという事だ。
ここでは3つのグループに分けて検証する。上位層が全体の10%とすると、中間層が40%。下位層が50%となる。 

上位層の労働所得は20%から30%。資本所得は50%から90%になる。この数字は各国によって多少ばらつきがあるが、歴史という観点で見ると、厳然たる格差の本質的な数字になる。

下位層の数字は、 労働所得は20%から30%。資本所得は5%から10%になる、額に汗して流した所得しかないという事だ。この下位層の真実は資本所得がほぼないに等しい事である。

・ジニ係数を検証。社会における不平等の指数。1に近いほど格差が大きい。0の時は完全な平等という意味。 

労働所得の場合、0,2〜0,4。 資本所得の場合は0,6〜0,8として試算出来る。
ジニ係数は便利な数式ではあるが欠点も多い。総合的な指数の為、原因の特定が難しい点が
ある。具体的な全体のシェアに対する数字がしっかりわかっていないと上位層にとっては格好の隠れ蓑になる数式でもある。 

様々な数字と財務上のデータを見て検証していかなくては一国の不平等の本質は見えてこないが、上位層は自らの資産の全てを正直に申告はしないという事もしっかりと考慮しなくてはいけない。 

どのレベルの所得階層に属するかで、購買力や生活水準、所得水準の違いを生むという事を理解する事が大切で、各国によって数字で見ると大した格差には見えないが、僅かな数字の違いでまったく違ったレベルの生活水準であると言う事も考慮しておかなくてはならない。

労働所得より資本所得の方が格差は本当に著しい。アメリカでは上位層が70%の資産所得を有し、階層は5%でしかない。ジニ係数は0,85にもなる。この格差は益々進んで行く事が指摘されている。これが特別昨今起きている訳ではなく、歴史的に見ていつの時代も格差は生じているという事実もある。 

厳然たる事実を数字で見せられると本当に様々な危機感と不平等や格差を生じさせている本質に迫る事が出来て大変勉強になる。

事実、1910年台のヨーロッパでは資本所得の90%を上位層が保有して中間層などもなかった時代がある。その時代に生まれていたらと思うと、現代に生を受けこうやって最先端の経済学を学ぶ事が出来てこんなに有難い事はない。皆様も再放送やオンデマンド等で是非視聴してみていただきたい。 

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2015年07月13日

NHK パリ白熱教室 トマ・ピケティ 「21世紀の資本論〜格差はこうして生まれる〜」 2

・富(資産)の格差
1910年代は上位10%が資産の90%を保有していた。中間層と下位層の差があまりなかった。現代は中間層の資産シェアが大きく増えてきている。では中間層の資産が増えているのか?というとそうでもない。中間層の資産は年々減って来ているのである。 

・ここで驚くべき事実がある。 
産業革命から現在までの世界の経済成長率は年平均わずか1.6%でしかない。 
歴史的にみれば近年の中国や日本のような成長率5%というのは本当に稀なパターンである。長期の成長率は1人の生産性は年平均でたった0.8%でしかない。人口増加を加味してもこの程度でしかない。

・経済成長率が低いと資本所得率が上昇していく。
問題は資産所得の不平等がどんどん拡大していく事である。ここで著書でも出てきた有名な公式が出てくる。 

r >g  rは資本収益率。 gは経済成長率。この数式が不平等の規定の方程式である。 

20世紀には、様々なイノベーションをもたらす画期的な発明が何度もあった。だが経済成長率に照らし合わせてみると1.6%の成長率でしかない。
人口増加が経済成長率増加の要因となったが、それでも資本収益率と経済成長率が不平等で富の分配が正しく機能していない証拠である。

・金融市場の規制緩和が格差を拡大させる要因
下位層が銀行にいくら貯蓄しても、その貯蓄しただけ豊かになるわけでもないし、その銀行に預けたお金が別の国に投資されて有意義な経済発展するかといえばまったくそうではない。でも経済学の理想ではそうなる事が正しいのだが、現実はインフレ等で目減りして僅かな金利しか富を得る事が出来ない。 

だが、上位層の人々は全く違う。金融が複雑化するにつれてお金をかけた人の方が有益な情報を得る事が出来るし、プロを雇って資産を増やす事が出来る。金融市場が複雑化されるほど資産を持つ者が断然有利になっていくのである。 

・このような不平等を解決していく唯一の方法は歴史にしっかりと学ぶ事である。
それともう1つ。所得と資産に対する累進的な課税制度と所得と資産の情報公開が必要である。この結論が世界中で大論争を巻き起こしている。 

国際協調を推進していく必要があり、国際的に実施しなければ格差はなくならない。

税の歴史も非常に注意して分析する必要がある。1960年代には上位層に90%もの税率をかけている国もあるが、1980年代のレーガノミクスでその税率が一気に下がった。

相続税も同様で、第一次世界大戦時にアメリカがドイツに相続税の累進制を世界で初めて導入した。アメリカはドイツに罰を与えたい為ではなく、民主化制度の推進であった。富の再分配を進めていく為の制度の歴史の1つでもある。 

・将来的に何が起きようと、所得と富、課税への認識をしっかりと持つ事が何より大切であるという事だ。 



非常に抽象的な文章になってしまい申し訳ないのだが、番組の中でピケティ教授が伝えている大切なポイントをまとめてみる内に最初は高度な内容を理解するだけでも大変だったが、ゆっくりと何度視聴している内にだんだんとピケティ教授が発見した世界経済の本質が見えてきた。

このブログを始めて頃に、この番組が放送されていて、いつかこの重要な経済問題を難しいと敬遠するのではなく、自分で理解しなければいけないと思った事がこのブログを始めるきっかけでもある。

ピケティ教授は警鐘している本質は、所得と富、課税に対する認識を改めるべきであるという事に尽きる。 

この事実がはっきりと認識出来ただけでも人生の大きなアップデートだと私は思う。
ブログに訪問してくれて皆様もこの所得と富、課税に対する認識をしっかりと持つ事のきっけにこのブログがなれたら幸いである。 

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