・所得の不平等を検証
私達は、必ずしも平等な社会に生きている訳ではない。では格差は何故起こるのか?それを解決する為には不平等のブラックボックスを検証する必要がある。
・不平等の規模を検証
ここで1つのポイントは、労働所得の格差は資本所得の格差に比べて小さいという事だ。
ここでは3つのグループに分けて検証する。上位層が全体の10%とすると、中間層が40%。下位層が50%となる。
上位層の労働所得は20%から30%。資本所得は50%から90%になる。この数字は各国によって多少ばらつきがあるが、歴史という観点で見ると、厳然たる格差の本質的な数字になる。
下位層の数字は、 労働所得は20%から30%。資本所得は5%から10%になる、額に汗して流した所得しかないという事だ。この下位層の真実は資本所得がほぼないに等しい事である。
・ジニ係数を検証。社会における不平等の指数。1に近いほど格差が大きい。0の時は完全な平等という意味。
労働所得の場合、0,2〜0,4。 資本所得の場合は0,6〜0,8として試算出来る。
ジニ係数は便利な数式ではあるが欠点も多い。総合的な指数の為、原因の特定が難しい点が
ある。具体的な全体のシェアに対する数字がしっかりわかっていないと上位層にとっては格好の隠れ蓑になる数式でもある。
様々な数字と財務上のデータを見て検証していかなくては一国の不平等の本質は見えてこないが、上位層は自らの資産の全てを正直に申告はしないという事もしっかりと考慮しなくてはいけない。
どのレベルの所得階層に属するかで、購買力や生活水準、所得水準の違いを生むという事を理解する事が大切で、各国によって数字で見ると大した格差には見えないが、僅かな数字の違いでまったく違ったレベルの生活水準であると言う事も考慮しておかなくてはならない。
労働所得より資本所得の方が格差は本当に著しい。アメリカでは上位層が70%の資産所得を有し、階層は5%でしかない。ジニ係数は0,85にもなる。この格差は益々進んで行く事が指摘されている。これが特別昨今起きている訳ではなく、歴史的に見ていつの時代も格差は生じているという事実もある。
厳然たる事実を数字で見せられると本当に様々な危機感と不平等や格差を生じさせている本質に迫る事が出来て大変勉強になる。
事実、1910年台のヨーロッパでは資本所得の90%を上位層が保有して中間層などもなかった時代がある。その時代に生まれていたらと思うと、現代に生を受けこうやって最先端の経済学を学ぶ事が出来てこんなに有難い事はない。皆様も再放送やオンデマンド等で是非視聴してみていただきたい。
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